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「いんちき」掲示板
 虚構はしょせん虚構に過ぎない。だが虚構を求める人々の心は「真実」だ


 
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健康を害する健康保護運動 (2004.09.23 Thursday) [いんちき心理学講義]
 ●どれが「事実」なのかという難しさ
 少し前に、朝日新聞の天声人語がとあるウェブサイトの盗作ではないかという記事が週刊新潮に掲載された事件がありました。
 まあ、その内容が盗作かどうかの判断には関知しないとして、面白かったのはその裁判の結果によるそれぞれの新聞社の報道です。

 普通、裁判といえば厳格なものであり、多少の違いはあれども判決に対して全く異なった記事が載ることは考えにくいと思うのですが、この事件を報道した「共同通信」「朝日新聞」「ZAKZAK」では記事の見出しがこうなっていました。

 朝日新聞 「天声人語が盗用」認めず、新潮社に賠償命令 東京地裁
 ZAKZAK 「『天声人語が盗用』は相当」…東京地裁判決
 共同通信 「天声人語が盗用」に相当な理由 週刊誌記事、賠償責任を否定

 朝日新聞とZAKZAK・共同通信で見出しが180度違うのですが・・・。

 リンク先の記事を見ればわかるとおり、報道対象自体は全く同一です。しかし、各社ごとにどこに注目するかで記事の印象を完全に別物にできるという「事実」というものを考えさせられる教材だと思います。

 ●天然牛乳は健康に悪いので天然じゃない牛乳を飲もう
 教授は、小さな頃は牛乳が好きだったのですが、大きくなってからは牛乳を飲むとお腹を壊すことが多くなったのであまり飲まなくなってしまいました。
 こういう人は日本人にはかなり多くて、昔は飲めたのに、成長すると飲めなくなるのはどうしてなのかと不審に思うと思います。

 牛乳には乳糖がはいっているのですが、この乳糖はラクターゼという酵素がない人が摂取すると、分解されなくなって体に溜まります。この溜まった乳糖が腹痛や下痢などを起こしてしまうのです。そしてこのラクターゼは子どもの頃にはあるけれど、大きくなると作れなくなってしまう人が特にアジア、アフリカ、南欧の人々の90%前後もいます(北欧・西欧系はわずか10%前後)。

 では、栄養成分のよい牛乳を大人になっても飲むにはどうすればいいのかというと、話は簡単でラクターゼを牛乳に混ぜればいいだけです。このラクターゼ入りの牛乳は自然には存在しませんが、日本人の大部分には健康的な飲み物となり、逆に天然の牛乳は下痢を起こすので不健康な代物です。

 ●健康に悪い健康保護運動
 環境保護運動といえば、昨今の凶悪な化学物質の害を押しとどめるために日々運動を頑張っているか、或いは環境環境と叫ぶ姿が胡散臭がられるのどちらかで捉えられる事が多いと思います。
 しかし、どちらに判断するにせよ、化学物質は体にも悪いし環境にも悪いというのは一般的に判断されていることだと思います。

 なかでも、塩素といえば環境運動化には嫌われる物質の代名詞です。第1次世界大戦では毒ガスとして使われましたし、現在では悪名高いダイオキシンと関連しているとして塩ビ製品が過剰に嫌われました。

 また、浄水場で塩素殺菌をするとクロロホルムが出現します。このクロロホルムは発ガン性があるといわれ、アメリカのEPA(米国環境保護庁)では1995年に水道水のクロロホルム濃度を今までよりも遥かに低くするように提案しました。
 もっとも、この発ガン性というのはものすごい量のクロロホルムをマウスに摂取させたらガンが発生し、それを低濃度にして人体にそのまま適応したらそうなるというだけという代物でした。

 塩素に発ガン性のリスクがあるのは事実です。そして、1991年に塩素による発ガンリスクを恐れたペルーでは実際に水道水の塩素殺菌が中止されました。その結果国民が手に入れたのは、塩素不使用による健康ではなく、不衛生な水を使用したことによるコレラの大流行です。この年、ペルーでは数十万人がコレラに感染し、約7000人が死亡しました。
 また、この国だけではなく世界の発展途上国では一年間で2万5000人が不衛生な水による感染症で死亡しています。

 ●健康に悪い環境保護運動
 20世紀中盤に、DDTという強力な殺虫効果を持つ化学物質が大評判となりました。
 この物質は、非常に安価に生成できるにも関わらずほとんどの昆虫に抜群の殺菌効果を持ち、なおかつ人体には無害という代物で、シラミ・ノミ・蚊を撲滅し、チフスやマラリアを駆逐。
 スリランカでは、14年間に渡ってマラリア撲滅運動を行い、DDTを散布したところ、年間250万人も発症していたマラリアの患者数は、なんと31人に激減しました。

 しかし、1962年に環境運動家レイチェル・カーソンが「沈黙の春」という本の中でDDTを悪役と認定してから、DDTの評判は大逆転。野生動物(鳥類)が死ぬ、ガンが発生する、環境に残留し続けるという主張が一気に広まり、DDTに耐性を持つ昆虫が発生したことも相まって、DDTの使用禁止を訴える運動は一気に高まりました。

 さて、本当にDDTはそれほどまでに環境に悪いかと問われると、その後に実験を行なったところ、土壌に残留するというのは、土にDDTを10倍も撒いて暗所に保存するというやり方でやった乱暴なもの。本来の土壌で試したところ土壌生物がDDTを消化するので約2週間で消滅し、海水中の場合は一ヶ月でほとんどが霧散することが判明しました。また、人に対する発ガン性も確認されていません。

 その後、DDT散布が禁止されたスリランカでは、マラリア患者は再び250万人に逆戻りしました。

 ●バカげた二者択一しか存在しないはずがない
 中世錬金術師のパラケルススは「あらゆる物質は毒である。毒であるかそうでないかを分けるのは、その量だけである」と主張しました。

 要するに、この手の問題は「使うか禁止か」というバカげた二者択一を問うのではなく「適切な量はどれぐらいか」という問題です。
 無制限に塩素などを使い続けてしまうと本当に健康を害しますし、DDTは十数年間使われ続けた結果、DDT耐性を持つ昆虫が出現し現在500種が確認されています。明らかに過剰使用の結果です。また、哺乳類には無害でも鳥類には影響があるので、使用には慎重を要します。

 だからといって、塩素の禁止は不衛生な水による感染を増やしてしまい、発ガンリスク以上の人命を奪います。DDTの使用禁止は激減したマラリアで苦しむ人々を再び元に戻しました。化学製品を毛嫌いし全く使わないことは、健康どころか助かるはずの命を奪うことになるのです。


・新聞は偏っているので複数読むことをオススメします。
・天然の牛乳は下痢の元になるので天然ではない牛乳を飲みましょう。
・健康を守るための運動が健康を害することもあります。


参考文献
・天然モノは安全なのか?
・化学物質ウラの裏
・からだと化学物質
乳糖不耐症(web)
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これはひどい

・どれが「事実」なのかという難しさ(「いんちき」心理学研究所、2004

From 晴れの日もある @ 2004/09/23 9:15 PM

健康を害する健康保護運動

いんちき心理学研究所さんより やっと晴れてきましたね。晴ればっかで水不足になるとまた 米が食えなくなるのでイヤだけど (どっちにしろ私は食えないのだが) 雨ばっかもやっぱ憂鬱ですよね。空が常に暗黒で雨ばっかの ブレードランナーみたいな未来は嫌だなあ

From やる気のない日々 @ 2004/10/21 3:54 PM

健康を害する健康保護運動

 DDTって土中の酵素によって分解されるから、残留しないんだって。残留するという実験結果は、通常の十倍のDDTを撒いて、暗いところにおいて置いたらそうなったっていうことらしいよ。つまり、情報操作によ ...

From プラズマ日記 @ 2004/11/12 4:59 AM

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From 美容健康の情報商材 @ 2009/09/05 5:59 PM