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エルフの起源についてのメモ (2004.07.13 Tuesday) [教授によるムダ知識メモ]
 トガった耳の妖精の起源について、ネット内で話題になっているようです。
まず、「エルフの耳が長いのは日本の作品であるロードス島戦記だ」という元ネタは、恐らく富士見文庫で発刊された「キャラクターコレクション(下)」だと思います。
 この本にはエルフという項目があり
 最近の作品では『ロードス島戦記』に登場するハイエルフの娘(百六十歳だが)のディードリットが登場する。エルフの耳が彼女以降、ずいぶん大きく描かれるようになった。

 キャラクターコレクション(下) 『エルフ』の項目
 という記述があります。ただし、この本を書いたのはグループSNEの安田均氏。つまり、ロードス島戦記を書いた水野氏の身内なので、ただ単に「俺たちのグループが最初に考えたんだよ」という宣伝の可能性も否定できません。また、初版が平成3年とやや新しい(13年前)ので、もしかしたらもっと古い資料がある可能性もあります。

 さて、エルフの起源は何度も書かれていますが、元々は非常に小さな妖精のことでした。ちなみに、もなみ9歳さんのところで『エルフの起源はケルト』と書かれていますが、手元にある「幻想世界の住人たち(新紀元社)によると、
 北欧すなわちゲルマンの妖精はエルフと総称します。ギリシア系の水や木の精はニンフです。ケルト系の妖精はシー(Sidh)またはシーオーク(Sheoques)と呼ばれています。

 幻想世界の住人たち 『妖精』の項目
 ということで、起源はゲルマン(北欧)のようです。
 ケルト系の妖精は、今では「フェアリー」で知られる小さな妖精のことで、小さく羽が生え悪戯好きです。しかし、このフェアリーも元はゲルマンから来たという説もあります。
 トマス・カイトリーは元々ケルトにこういう妖精はおらず、11世紀のノルマン・コンクェストのゲルマン人によってもたらされたのだといっています。これはキリスト教の伝播をあらわしています。そのためケルトでは妖精達は天から堕ちた堕天使だが、地獄に落ちるほど罪深くはなく、といって天に戻れるほど潔白ではないために、地上にいるのだとされています。

 幻想世界の住人たち 『妖精』の項目
 また、エルフの起源がゲルマン説の補強としてですが、エルフの語源は「アールヴ(alfr)」。古代ノルウェー語で『妖精』をさします。もちろんノルウェーとは北欧のことです。北欧神話では、アールヴには太陽より美しい「リョースアールヴ」と瀝青(アスファルトのようなもの)より黒いデックアールヴがいます。これは今でいうエルフとダークエルフの関係でしょう。
 リョースアールヴは美しく善良で高尚。色が白くかよわく繊細な存在です。「指輪物語」のエルフの起源もこちらからきています。デックアールヴは醜く邪悪で今でいう「ドワーフ」に近い存在とされています(ドワーフは邪悪ではないですが)。
 アールヴは別名「エルヴン」です。RPGファンならばエルヴン・ボウというエルフ専用の弓の名前を聞いたことがあると思います。教授はエルヴンの意味がよく分からなかったのですが、北欧のエルフの語源だったわけですね。

ついでに、もなみ9才さんが書かれている「ホブゴブリン」に関してですが、これはヨーロッパで『パック』と呼ばれる悪戯好きの妖精の一種です。多くは家に住む守護霊の一種で、『ブラウニー』は家を守り、家族を助けゴブリンを追っ払ってくれます。『ボガード』と呼ばれるタイプは、ブラウニーとは逆で、邪悪な存在です。これが家に住み着くと奇妙な怪異現象が起こり、家人を悩ませます。悪戯好きの妖精『ピクシー』もホブゴブリンの一種です。
 RPGでは本来の設定と違い、ゴブリンと親戚関係とされる場合があります、この場合のホブゴブリンとは「田舎者のゴブリン」という意味で、力は強いが臆病という設定です。


・ 耳が長いエルフは『ロードス島戦記』が起源とされていますが、身内発言なのでちょっとうさんくさいです。
・エルフの起源は北欧(ゲルマン)で古代ノルウェー語の「アールヴ」から来ています。
・とりあえず伝承の起源とかってややこしいですね。
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