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「いんちき」掲示板
 虚構はしょせん虚構に過ぎない。だが虚構を求める人々の心は「真実」だ


 
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「人間は不純で動物は純粋」という神話 (2004.07.13 Tuesday) [セコい神話]
●「人間が肉食をやめればライオンも植物を食べる」
 最近の人間の横暴ぶりは目が余りますね。自分を世界の主だと言って憚らず、食人行為も最近まで確認されてましたし、同族殺しは今でも各地で行われています。そして同族だけでは飽き足らず、自然を荒らしまわり生態系を崩し、地球の資源を食いつぶす忌むべき寄生虫。それが人間です。
 それに比べて、動物は自然の摂理を崩さず、無益な殺しもしません。もしも人間がいなくなれば、この世界は楽園のように穏やかで調和が取れたようになるでしょう。

 上の文章は教授が適当にこさえたものですが、まあよくある新聞の社説欄のようなものです。朝日新聞の天声人語とかなら、他に動物の助け合いの美しさや「同族殺しをするのは人間だけです」とかいうセリフが加わります。

 そう言えば、「生長の家」という宗教の会報には、「人間が肉食をやめればライオンも植物を食べるようになる」とかいう記事がありました。どうやら、人間が発生する前の300万年以前は全ての動物は草食性だったそうです。
 植物も動物と同様に生きているのに、植物は食べてよくて動物はダメな理由はよく分かりませんが、教授的に解釈すれば、動物は泣き叫ぶから食べちゃいけないけど、植物は泣き叫ばないから食べてもいいということのようです。宗教って素晴らしいですね。

 しかし、そんな人間嫌いで動物大好きな変態平和主義者を嘲笑うかのように、動物の共食いや同族殺しをするのが近年になってかなり確認されてます。

子殺しをする猿たち
 インドではハヌマンラングールという、ハヌマーン(白い猿の姿をした神様)の生まれ変わりと言われ現地の人に崇められている猿がいるのですが、彼らが栄えある猿の同族殺しの確認第一号です。さすが神様。

 この猿はハーレムタイプの猿で、複数のメスが一匹のオスに囲われます。交尾したいがメスがいない猿は、ハーレムのオス猿を打ち倒して自分がボスにならないといけません。首尾よく勝てた場合、当然ハーレムには、既に違うオスの子供を生んでいるメスがいます。
 子供のいるメスはオスの生殖行動に抵抗するので、新しいオスはこのままでは交尾できません。じゃあどうするのかと言うと、簡単ですね。子供を殺せばいいのです
 こうすることで、目の前の自分の子供を殺されたにもかかわらず、メスは殺したオスに発情するようになります。自然の母性愛って素晴らしいですね
 アフリカのチンパンジーには、メスに生ませた自分の子どもを殺して食べるグループも確認されています。このとき、普通の肉よりも興奮状態で先を争って食べるため「非常に美味しい肉」と感じている可能性が高いです
  他の猿人系として、ゴリラは完全な草食性なのですが、何故か同族の赤子の肉だけは食べることが確認されています。これも「同族の肉はそれほど美味しい」という仮説も成り立つでしょう。

 完全な同類ではないですが、一部の野生のチンパンジーにはサルを普通の獲物として食べる種がいます。決して、飢餓での狂乱状態や縄張り争いではありません。ごく普通の食事としてチンパンジーがサルを襲って食べるのです。
 その哀れな食べられるサルはアカコロブスというマイナーなサルで、大抵の場合アカコロブス自体の特徴ではなく「チンパンジーに狩られるサル」と紹介されてしまうのが哀れです。

 こんな殺伐とした話しを聞くと嫌気がさすので、ここはもっと可愛らしい動物と戯れることにしましょう。所詮、猿は人間に近い動物ですから、人間のような残虐さを持っていても不思議ではありません。

●海の人気者・イルカさん〜趣味はリンチとイジメです〜
 やはり、ここは海の人気者のイルカさんが一番ですね。可愛い外見に可愛い泣き声。しつければ人間の言うことも聞くしと、まさに人間の理想のパートナーです。
 アメリカでは、自然のイルカと戯れようというキャンペーンもあります。
 では、このキャンペーンの参加者に感想を聞いてみましょう。

 「いきなり水に引き込まれて足を噛まれたよ」
 「泳いでいたらいきなり体当たりされて沖合いまで吹っ飛ばされちゃった」


 アレ?
 実は、イルカが溺れている人間を助ける美談とかが稀にありますが、別にこれは人間の危機を察して助けようとしたわけではなくて、イルカは木片でも仲間の死体でも何でも、海で沈みかかったものを支えたり、押し出したりするという習性を持っているだけです。なので、たまたま溺れているときに陸に押されることもあれば、溺れてもいないのに沖合いに押されて遭難したりすることもあります。そうなんです。

 噛まれたのはそのまんまの意味で、イルカは普通に凶暴性も持っている生物です。食べるわけでもないのに赤子や同族を殺したり、リンチやイジメでストレス発散をするのも確認されています
 「イルカ」と「リンチ」。「イルカ」と「イジメ」は「木村拓哉」と「童貞」ぐらい似合わない組み合わせですが、小倉優子も昔はコギャルだったわけですし、世の中なんてそういうものです。

●その他の動物たち
 「哺乳類はダメだ!やはり哺乳類以前の生物の方がより自然だ!」
 と、お思いの自然至上主義者のために他の生物も調査してみました。

 まず、鳥類では鶏が自分の卵を割って中身を食べる「殻割り」という習性を持つ個体が稀に存在することが確認されてます。こういった個体は、既に卵に「味を占めている」ので廃棄処分されることになります。
 爬虫類ではクロコダイルが、チンパンジーと同じようにハーレムを奪った際に他のオスの子どもを殺します。

 魚類ではグッピーが、自分の子供と同じケージに入れると子供を食べてしまうので、すぐに別のケージに分ける必要があります。魚類ではありませんが、ザリガニの共食いは有名ですね。密集状態だとお互いに食べあうので、別々に分ける必要があります。

 昆虫では、カマキリは交尾が終わればメスがオスを食べますし、これはクモもそうですね。
 男と女の愛の営みが終わり、まどろんだ空気の中、女が男にしなだれかかる。男はそっと女を抱きしめ、そしてしなだれかかった女は男を頭からバリバリと!
 なんだかB級ホラーみたいになってしまいました。
 まあ、必ずしもメスがオスを食べるわけではありません。オスも行為が終わればメスから逃げようとし、逃げ切れば別のメスとまた交尾ができます。のろまか誠実なオスが食べられ、やり捨てのオスが生き残り繁栄するのがカマキリとクモの世界です。嫌な世界ですね。

 昆虫のタガメのオスは、自分の卵が孵化するまでつきっきりで守ります。タガメの卵は常にある脅威に晒されているので、オスは自分の命をかけて卵を守ろうとするのです。感動ですね。ちなみに、何から卵を守っているのかというとタガメのメスです。メスは他のメスが産んだ卵を見つけると片っ端から壊してしまい、さらに守っていたオスと交尾して卵を産みます。タガメの世界には人間を遥かに超えた愛憎が渦巻いているのです。

 脱皮したてのキリギリスも共食いをします。というか、共食いをしないと栄養が足りずに成長できないので自然的に致し方がないことだそうです。
 お互いに殺しあって残った一人が生を得るとか書くと、何となくバトルロワイヤルっぽいですね。気のせいですか、そうですか。昆虫学者によると、同種の肉は栄養吸収率が良くて最高の食材だそうです。肝臓が悪いときはレバーを食べればいいとかいうようなものでしょうか。

●太古の世界へ
 まあ、これらは現代の生物なので、人類が出現したことで動物も感化されて共食いに走ったとか、かなり無茶な考えもできます。
 人類が生まれる遥か前に思いを馳せてみましょう。太古といえば、やはり男のロマン「恐竜」ですね。彼らの強大な巨躯と雄々しき姿を見れば、人間やら動物やらとゴチャゴチャ言ってるのがバカらしくなります。
 この偉大な生物の真の姿の一片でも見ようと、チンケな人間が化石とか地層を調べているわけです。

 というわけで、2003年にも恐竜の生態の調査結果が発表されました。
 マカレスター大学レイモンド・ロジャーズ教授の調査研究によると、マダガストル島に住むマジュンガトルスという恐竜の化石からは、同種の恐竜の歯型が見つかったそうです。太古の時代もやっぱり共食い
 ただ、これはあくまでも化石の歯形なので、生きているものを殺して食べたのか、死体を漁って食べたのかは不明です。まあ、同族と言えど死んでしまえばただの肉ですからね。牛もコンビーフ食べますし、少なくとも動物は同族の肉を口にするのに嫌悪感を感じるようにはなってないみたいです。

 しかし、これはあくまでも種の保存の摂理とも言えるかもしれません。
 確かに共食いはおぞましく思えますが、それは空腹を満たしたり、より自分の子孫を残せる可能性が高い方法を選択しているだけなのです。
 ところが、人間は共食いだけでは飽き足らず、自分の楽しみだけで動物の命を奪います。例え動物も同族殺しをしたとしても、人間の残虐性には及ぶべくもありませんね。

 というわけで、動物の素晴らしさと人間の愚かさを再確認したところで、シートン動物記を読むことにしました。動物との心温まるエピソードが満載で温かい気持ちになれます。
 例えば、動物記では遊びで羊をいたぶって殺す若い狼の話しが・・・ってええ?
 そういえば、テレビのドキュメンタリーではあざらしを襲ってボール代わりに遊ぶシャチのお話しがありましたし、犬や猫も獲物を殺さないでコロコロ転がして遊ぶのはよくある風景です。

●共食いは合理的
 栄養学的に見れば、同種の生物の肉は吸収効率がよい最高の食材です。肝臓が悪い時はレバーが体によいですし、魚の眼は視力の悪い人に良いといわれます。
 それでは、こうした「共食い」という現象、果たして「栄養」としての特筆した意味合いはあるものなのでしょうか?
 (中略)
 とにかく、様々な餌でもって、少しでも質の高い栄養供給をしたい・・・という考えには、変わりありません。
 (中略)
 当然のことながら、体を形作る要素に近いものほど、与えるべき栄養という点で「上質」だということになり、その成分をよく含む原料を配合することになります。実際に、マダイやハマチなどを養殖する際に与える人工餌料として、同じ魚のイワシの粉末ミ−ルなどを主成分とする飼料が開発されていますが、これも、マダイやハマチなどの体成分を充分に調査し、さらに原料価格を考えた結果、生み出されたものです。
 これらのことを考えると、ザリガニがザリガニを食べるということは、栄養面で見ても、非常に合理的なものであると考えることができましょう。

「共食い」を考える
 共食いは、自分と同じ形の食料を食することなので、栄養の点で見れば非常に合理的です。
 そう言えば、チンパンジーが子どもを食べるとき、普通の肉よりも興奮状態で先を争って食べるため「非常に美味しい肉」と感じている可能性が高いです。
 動物は人間よりも遥かに合理的な生物なのかもしれません。

●動物の「欲望」
 人間と動物の同一性でいえば、心理学者のJ・B・ウォルフとJ・T・カウルズによる「チンパンジーの貨幣」という実験があります。

 まず単なるコインと、そのコインをいれるとブドウが出てくる自動販売機を用意します。そして、チンパンジーの目の前で自動販売機にコインをいれブドウが出てくるのを確認させます。これを何度も繰り返した後に、チンパンジーにコインを渡すと、チンパンジーは同じようにコインをいれてブドウを得るようになります。
 これは、人間がコインを入れるのを見て学習したわけですね。

 さて、今度はチンパンジーの檻にテコをひっぱるとブドウが出てくる装置を用意。すると、チンパンジーは頻繁にテコをひっぱってブドウを得るようになります。しばらくたった後、今度はテコをひっぱるとコインが出てくるように変更します。
 ブドウが出るものと思っていたチンパンジーは、おいおい、これは自動ブドウ製造機じゃねえのかよ。とばかりにキョトンとします。
 しかし、すぐに立ち直り、コインをたくさん出して自動販売機に行き、コインを入れてブドウを得るようになりました。

 しかも、自動販売機が消えてもチンパンジーはコインを蓄え、使える機会を窺うようになったうえ、これらの経験を得たチンパンジーの集団の檻にコインをばら撒くと、チンパンジーは先を争ってコインを奪い始め、力の強いものから力の弱いものへのコインを奪いあいまで発生しました。チンパンジーのかつあげです。恐らく、チンパンジーが服を着ていたらジャンプさせられていたことでしょう。
 要するに、動物がお腹いっぱいになったら獲物を取らないのは、ただ単に保存する技術がなく無駄に体力を使ってしまうからというだけの話で、保存できるようになったらいくらでも蓄えようとするわけです(奪ってでも)。これも上記に書いたとおり「合理的な考え」と言えるでしょう。

 なんだ、自然愛好家とかが、よほど人間をけなして動物を誉めそやすから、どれほど動物様が高尚かと思えば、何だかんだで人間と同じじゃないですか。
 結論を言うなら生物は皆兄弟です。


・植物は泣き叫ばないので、食べても良心が痛みません。
・チンパンジーは赤ん坊が好物です。
・イルカは楽しみのためにイジメやリンチをします。
・昆虫の得意技は共食いです。
・太古の時代もやっぱり共食い。
・動物は合理的です。
・地球生物皆兄弟(嫌な方向で)
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「人間は不純で動物は純粋」という神話について。

「いんちき」心理学研究所 | 「人間は不純で動物は純粋」という神話について。 こちらのサイトさんでは動物の残虐性?について紹介して動物を崇める人を茶化す形で書かれてますが、タイトルにある純粋/不純については言及が何も無かったので簡単に。 『純粋な人』なん

From Ice Cool Blog @ 2004/08/19 12:52 AM